人生で最も情緒が揺さぶられた日

先週、とある試験があった。

17時15分からだったが、少々野暮用を終えてから向かおうと思ったため、一時間前くらいに出発。

野暮用を済ませ、40分くらい前になっただろうか。

財布がない。財布にはクレカ、キャッシュカードなどあらゆるモノが入っているのだが、最も恐れていた身分証明書も全て財布の中だ。忘れたのか、落としたのか。

とりあえずすぐ野暮用を済ませた場所に電話をかけ財布がないかどうか尋ねたがナッシングだった。

見当もつかなかったため、全速力で帰宅。この時点で試験開始まで30分くらいだったと思う。10分くらいに家に着いて、まず試験会場に電話。しかし、身分証が無いとやはり受けることは出来ないようだ。次に主催者側へ連絡。しかし、試験会場に訪ねた時と同じ言葉が返ってきた。

やはり替え玉受験などがあってはいけないようなので無理もないだろう。直前のキャンセルも不可とのことで受験料もパーだ。

絶望の淵に立たされた状況でするべきことはまず財布を見つけることだ。

試験は5000円ほど。痛いことに変わりはないが、財布は下手するとクレカも入っているので無限大に使われてしまう可能性もある。

とりあえず警察に連絡してからクレカとか諸々の対処をしなければならないと考えた。

そして警察に電話を掛けたところ、それらしき財布が届けられているとのこと。

この時、私の身体は脊髄反射的に家の外へ向かっていた。

試験開始時刻まで残り15分ほど。それでも私は駆け出した。ここはまだ諦めるべきではないと直感的に思った。

スマホを耳元に置きながら私は走った。足を止めることなく。ひたすら。

走りながら警察の方の話を聞くとどうやら私の財布と一致する。

すぐに取りにいくと令を言い、すぐに試験会場へ連絡。財布は見つかっても試験開始には間に合うか五分五分。そもそも、試験開始5分前には到着していてねとの連絡もあったため、受けられるかどうかも分からない。

すると、試験開始後15分以内なら受けられるとのことだったので、一筋の光が私の身体に差し込んだ。

すぐさま警察署に駆け込み、名前や住所、電話番号を書類に書き込み、財布を受け取った。息切れもして、時間もかなり迫っていたのでろくに返事もお礼も警察の方に言えなかったのが残念だ。多分明日また行く。

中身は恐らく無事だ。少なくとも身分証明書やクレカの類は全てあった。本当に心優しき届主に感謝したい。貴方の人生に幸あれ。

幸い、駅の近くが試験会場だ。多少は迷ったが何とかたどり着いた。

びしょ濡れ、息切れ、ボサボサ頭という三拍子揃った醜い恰好で、試験官的な人にもあまり良い印象は抱かれていなかったと思うが、そんなことはどうでもいい。

もう受験できると分かっただけで感無量だ。恥や外見くらいこの際捨ててやる。

本当に急いできたため、冷気が身体を帯び、額にピッてする体温計では測定が出来なかった。辛うじて35.4℃くらいが出たため、何とか体温はパス。やっぱり参考にならんわこの形式の体温計。

試験は90分。CBT方式のため、パソコンと睨めっこ。開始5分くらいは息切れが中々収まらず、隣の人に迷惑かけたかもしれない。ごめんね。

まぁ問題の方も手こずった。死ぬ気で勉強したわけでもなく、正直曖昧な部分が多かった。知らない項目もあり、正直落ちるか受かるかの当落線上にいた。

60分くらいである程度見直しはしたし、もう色んなことがあって疲れたからこれで落ちてもしゃーなしと思い、回答終了。

すぐに結果が画面に表示される。

100点中68点。合格。

正直、そこまで喜びが起きなかった。余りに色々なことがこの2時間ほどで起きすぎて脳の処理が追いついていなかった。

何とか帰路に着き、帰宅。

真っ先に浮かんだのは、東京03飯塚悟志の「情緒がもう・・・」という台詞。

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もうつーかれた。