貫井徳郎「微笑む人」

12月の終わりに某古本屋で買ってみた。

貫井徳郎さんの作品は今まで「失踪症候群」「慟哭」「崩れる」「後悔と真実の色」を読んできた。「銃反射」は少し挫折してしまったので再度読み返したいと思う。

最初読んだのが「慟哭」だった。あれは中学三年生の時。最後にどんでん返しがある小説として紹介されていたため期待を込めて読んでいた。読んだ人は分かると思うが、衝撃的なラストだった。

以来、熱心なファンという訳では無いもののお気に入りの作家さんになった。

そしてこの「微笑む人」。近日ドラマ化されるということは読み終えた後に知った。

貫井さんの思惑通りだったのか、真意は分からないものの推理小説に答えがないものはこれが初めてだった。読み終えた直後は何だこれと率直に感じた。

犯人が何故罪を犯したのか、そして第二、第三の事件の真実は何なのか。これが知りたいがために最後まで読み進めたのに。モヤモヤしたまま読み終えてしまった。

しかし、後でネット上に点在する感想、考察を拝見すると色々な見方があるなあと。

私は今まで答えを求めていたのだと感じた。提示された問題に対して答えのみを求めていた。むしろ「当たり前」だと思っていたのかもしれない。推理小説に解答はつきものだと。

人のことを理解したいと思う気持ちは誰にでもあるけど、それは自分の都合の良いように解釈しているんじゃないかと自問自答した。

結局は他人の事を完璧に知ることなど出来ないのだ。ただ、出来ないと分かっていながらも人を理解したいという気持ちは消えない。逆により一層気持ちは高まっている。

何事も鵜呑みにしてしまうのは危険というかつまらないのかもしれない。自分で思考するという楽しみを奪っているのではないかと。

そんなヒントを与えてくれた作品でした。まだ10代の学生で稚拙な文章であり、貧弱な頭をフル回転させて読みました。

到底評論家の方には敵いませんが、自分の考えをまとめる上でブログを活用させて頂きました。

ただこの考えも自分の考えじゃないんだろうなぁ…

所詮色んな人の考えの集合体です。

まだまだですね。